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ミステリの祭典

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醗酵人間

作家 栗田信
出版日2014年02月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 5点 メルカトル
(2025/10/29 22:41登録)
「戦後最大の怪作SFの噂。酒を飲んで発酵する謎の怪人。あまりのバカバカしさは、むしろ感動を呼ぶ」と評され、「BOOKMAN」誌の〝SF珍本ベストテン〟第6位を獲得した『醗酵人間』(1958年刊)。そして、なぜか「醗酵人間」に対抗意識を燃やし、LSDで人格変換を起こす主人公の活躍を描く『改造人間』(1965年刊)を同時収録する。
Amazon内容紹介より。

まず最初に言っておきたいのは、「巻末資料」と云う名の解説を先に読んではいけないという事です。重大なネタバレをしています。
本作品集は三篇の長編と四篇の短編を収録しています。表題作こそ長編の体を成していますが他二編は連作短編集のような形式であり、全体的に語り手がコロコロ変わり纏まりに欠け、ゴチャゴチャして記憶に残りません。噂によると『醗酵人間』のみで40万円ほどで取引されていたらしいですが、その内容は値段に見合うものではありません。珍品というだけあって、荒唐無稽なSFで余程の物好きしか読まないであろう事は想像に難くありません。

むしろ私が注目したのは『台風圏の男』で、冒頭の『蜘蛛男出現』。これは超面白かったですね。全編このレベルであれば大傑作になったに違いありません。しかし、これは第一章として完結してしまっていて、その後はガラリと話が変わっていきます。結局一体誰が台風圏の男なのかすら判然としません。短編を組み合わせた作品なので仕方ありませんね。まあ何事も経験という事で甘めの採点となっております。

No.1 4点 ボナンザ
(2020/10/14 20:50登録)
ミステリ珍本で読了。いずれも着想は面白いが乱歩や正史のように読者を虜にする魔力に欠けていると思う。

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