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ミステリの祭典

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逢魔宿り

作家 三津田信三
出版日2020年09月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 ぷちレコード
(2023/08/25 23:13登録)
作者自身の現実をディティールのみならず、作品の構造そのものに取りこんだメタ趣向の怪談連作。テーマやモチーフの枠組みを定めた作品集が多い作者だが、今回は知人から聞いた話という以外に縛りはなく、結果が張られた山中の奇妙な家屋に立て籠もり、押し寄せる怪から身を護る通過儀礼、死を予告する絵を描く子供、新興宗教の夜警、家を訪れる得体の知れない何か、とバラエティに富む。しかも最終話でこれらにある意味が与えられるのも作者らしい。
何らかの論理性は見出せても、怪異自体の解明、解決はされないまま底なしの不気味さを堪えて体験者や語り手、ひいては読者を引きずり込もうとする怪異譚。

No.1 6点 みりん
(2023/07/13 13:13登録)
三津田作品を刊行順に読んでいこうと思っていたけど、評判良いので一足先に読んでみた

4つの独立した怪談短編集とラストに総括した「逢魔宿り」という構成 一番面白かったのは「予告画」
「蛇棺葬」「百蛇堂」での舞台「百々山」が出てくるのは嬉しいな
実話からどこまで脚色されているのかや全て作り物なのか気になるところ

刀城言耶シリーズでは「首無の如き祟るもの」くらいしか該当しないけど、三津田先生ってちょっとメタ構造好きすぎ。作家シリーズでは主人公が三津田信三でこの「逢魔宿り」も語り手は同じ僕=三津田信三なんだけど、この「僕」は作家シリーズの時よりメタ的に上位の存在な気がする。

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