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ミステリの祭典

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エロス

作家 広瀬正
出版日1971年01月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 6点 ことは
(2025/01/03 00:49登録)
ミステリーではない。SFというのも、ニュアンスが違う気がする。ファンダジーかな? 最近の異世界ものに近しい世界観かな。
面白さのポイントは、ノスタルジー。多分書かれた当時から見ても、過去となった戦前を描いているので、「今、読んで」だけではなく、当時もノスタルジーが面白さのポイントだったのではないかと想像する。
ラストにある趣向が存在するが、これは個人的には好きになれなかった。そんな簡単な話じゃないよねと感じる。

No.1 8点 虫暮部
(2020/10/11 11:02登録)
 良い意味でアクの無い筆致で綴られる昭和初期の青春。文献渉猟の跡を感じさせない血の通った文章が、事物を羅列しつつも知らぬ間に温かさを醸し出す不思議さよ。第12回オリンピック(1940年)は一旦東京開催に決まったものの時局悪化により開催権が返上された、なんて知ってた?
 ほぼこのままで優れた中間小説として成立しそうなのに、ちょっとしたトリックを付け加えたのはジャンル作家の意地か。北村薫〈時と人 三部作〉より20年以上早くこんな作品が世に出ていたなんて。

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