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ミステリの祭典

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人間そっくり

作家 安部公房
出版日1967年01月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 糸色女少
(2023/12/29 21:05登録)
火星人だと自称する男との問答の末に、自分が人間だという根拠を思弁の海の中で喪失していくラジオ脚本家の顛末やいかに。
ほぼ会話文で進んでいく中、明確に一文一文を理解したまま目眩に似た感覚を抱くことになる。正気と狂気、自分と他人、地球と火星、対話を重ねれば重ねるほど、境界線が曖昧になる。その混沌に最後まで目が離せなくなる吸引力はさすが。

No.1 7点 虫暮部
(2020/10/11 10:57登録)
 思索的な文芸としてのSFの定義を問うような作品。これをやり過ぎると単なるインテリ気取りにもなりかねないが、引き際を心得ていてセーフ。私は夢野久作『ドグラ・マグラ』の一部分を切り出してポップに変換したみたいだと思った。つまりミステリとしても読めるってこと。
 ゆうきまさみ『究極超人あ~る』の元ネタはこれか(嘘)。

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