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ミステリの祭典

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六つの奇妙なもの

作家 クリストファー・セント・ジョン・スプリッグ
出版日2006年10月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2014/08/14 17:02登録)
(ネタバレなしです) スペイン内乱に義勇軍として参加して戦場に散ってしまった英国人作家クリストファー・セント・ジョン・スプリッグ(1907-1937)の遺作となった1937年出版の本格派推理小説です。不可能犯罪を得意としていたらしいのですが同世代作家のジョン・ディクスン・カーとは作風が異なるタイプのようです。本書でも不可能犯罪を扱っていますがトリックはさほど感心できず、ちゃんと捜査していたらすぐに見破られていたのではと感じました。またタイトルにも使われている「奇妙なもの」もカー(カーター・ディクスン名義)の「五つの箱の死」(1938年)の謎めいた数々の品物と比べるとインパクトは弱いです。とはいえヒロイン役に迫り来る危機また危機や犯人の凶悪性の描写などはサスペンスに満ち溢れており、不可能犯罪の謎解きに過度に期待しなければ十分楽しめる内容です。カーよりもルーファス・キングの「不変の神の事件」(1936年)の方が近い雰囲気の作品だと思います。

No.2 5点 あい
(2009/03/16 12:43登録)
「六つの奇妙なもの」という題なのにその解決が説明不足でがっかりした。殺人のトリックは凄いものではないし、話の内容も中盤から終盤にかけて失速していったし(ミステリとして)、犯人が判明した時もふぅんて感じにしかならなかった。

No.1 6点 mini
(2008/11/08 13:02登録)
若くして夭逝した幻の天才作家スプリッグは古典本格マニアには名前だけは知られていたが、現在普通に手に入るのはこれだけだ
本格なのは間違いないのだが、一般の本格とは全く違う題名通りの奇妙な展開を見せ、中盤での落ち着きの無さなどはサスペンス小説のようでもある
本格しか読まないくせに尋問シーンが退屈で苦手だとか言う読者がよくいるが、そういう読者にはかえって合うんじゃないだろうか
惜しいのは題名の六つの奇妙なものの意味が、解決編で充分に回収されていないと言うか尻つぼみだったのは残念だった

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