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ミステリの祭典

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アンドロメダ病原体ー変異ー
マイクル・クライトン原作

作家 ダニエル・H・ウィルソン
出版日2020年05月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 糸色女少
(2023/04/14 22:16登録)
前作の内容を実在の報告書として作品にとりこみ、あの事件の50年後に再び発生した第二次アンドロメダ事件のレポートという体裁をとっている。
今回、アンドロメダ因子に襲われるのはアマゾンの密林。永遠の不寝番と呼ばれる世界的な監視網が異変を察知し、ワイルドファイア警報が発令されるまでの導入は抜群の牽引力を誇る。
手に汗握るサスペンス調の前半に対し、後半は一転、壮大なスケールの本格SFに変貌する。前作の謎解きから考えれば当然の帰結とはいえ、これほど構えの大きなSFになるとは驚き。

No.1 6点 小原庄助
(2020/09/25 08:49登録)
マイクル・クライトンの「アンドロメダ病原体」の続編としてクライトンの遺族公認で書かれた作品。
正体不明の病原体「アンドロメダ因子」が米国の街を全滅させた前作から50年後。病原体の再発見を警戒する米国は世界規模での監視システムを構築していたが、観測ドローンが赤道直下のアマゾン奥地で不思議な巨大な構造物を発見する。その地域ではアンドロメダ因子の変異種による感染症も発生していた。
劣悪な環境下、致死率の高い感染症と戦うのは極めて困難だが、さらに巨大構造物「特異体」の予測不能の動きが恐怖を増幅させる。感染症発現には人為的介入が疑われ、さらなる変異の危険性も。事件は宇宙にまでつながる壮大なスペクタクルへと発展していく。
感染症との戦いは単に医療だけの問題ではなく、先端技術の新たな応用開発や政治的闘争、さらには人間の無知や欲望との戦いでもある。なお本作は単独でも楽しめるが、前作を先に読むといろいろな工夫や登場人物の背景などが見えやすくなる。

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