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ミステリの祭典

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牧師館の死
デイヴィッド・ロイド警部&ジュディ・ヒル部長刑事

作家 ジル・マゴーン
出版日1998年06月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2016/05/08 14:42登録)
(ネタバレなしです) デビュー作の「パーフェクト・マッチ」(1983年)以来5年振りに書かれたロイド主任警部&ヒル部長刑事シリーズ第2作です。アリバイ捜査が中心なので展開は地味だし、容疑者がわずか4人なので意外な結末もありません。単純な事件ですが容疑者全員が嘘をつくことによって紛糾していきます。嘘は誰かをかばうためなのか、それとも自分をかばうためなのか...。なかなか奥の深いミステリーです。古典的な犯人当て推理小説としての基本を守りながらも家庭内暴力や不倫の愛が描かれているところはまぎれもなく現代的な作品です。牧師館で死体が発見されることからクリスティーの「牧師館の殺人」(1930年)の現代版と評されているようですが、比較することはあまり意味がないように思います。

No.1 6点 蟷螂の斧
(2016/02/14 07:19登録)
裏表紙より~『クリスマス・イヴの夜、ロイド首席警部は事件の知らせを受け、牧師館に急行した。殺されたのは牧師の義理の息子。単純な家庭内の事件に思われたが、互いに庇いあう家族の前に捜査は難航する。次々と覆されていく偽りの奥から現れた真相とは? 現代本格ミステリの新たな担い手、ジル・マゴーンが描く現代版“牧師館の殺人”。』~

ジャンル分けに困る作品です。アリバイ崩しの本格もの?ともいえるし、方や、心理サスペンスの要素が強い作品でもあるし・・・、一応本格ものということで。クリスティ氏の「牧師館の殺人」とは特に関係はありません。ただし、「さっさと家にひきあげて、ミス・マープルにぜんぶまかせたい心境よ」とか、ミス・マープル似の老婦人がチョイ役で登場したりします。アリバイはお互いを庇い合うため、嘘をついているので複雑で判りにくいのが難点です(自分はアリバイ崩しが苦手なので、そう感じるのかも)。登場人物の心理描写はうまいと思いますが、捜査側の二人の恋愛感情の描写は、本作に限って言えば結構邪魔になっていましたね。著者名義で4冊しか翻訳されていない状況は残念です。

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