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ミステリの祭典

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百舌鳥魔先生のアトリエ

作家 小林泰三
出版日2014年01月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 虫暮部
(2024/09/19 12:24登録)
 着地点は結構読めるけれど否応無しに引っ張り回される不快感が快感。でも予測がついてもつかなくても、どの道でろでろになるのだから関係無いね。身体パーツの過剰はフリークス的イメージの基本だから “百舌鳥” と言う字は如何にも小林泰三っぽいじゃないか。あっ、人間ならともかく猫様にあんなことするなんて許せぬ。

No.1 7点 メルカトル
(2020/09/13 22:33登録)
「あなた、百舌鳥魔先生は本当に凄いのよ!」妻が始めた習い事は、前例のない芸術らしい。言葉では説明できないので、とにかく見てほしいという。翌日、家に帰ると、妻がペットの熱帯魚を刺身にしてしまっていた。だが、魚は身を削がれたまま水槽の中を泳ぎ続けていたのだ!妻が崇める異様な“芸術”は、さらに過激になり…(表題作)。他に初期の名作と名高い「兆」も収録。生と死の境界をグロテスクに描き出す極彩色の7編!
『BOOK』データベースより。

いきなり小林の異様な世界観に引きずり込まれます。起承転結など無視しての急展開に読者は否応無しにその異世界に持っていかれること間違いなし。そして第二話『首なし』にはやられました。これこそは氏を代表する作品ではないかと思います。物凄く好みです。そして最後の表題作『百舌鳥魔先生のアトリエ』はグロ全開で、しばらく食欲をなくすような嫌らしさを持っています。これぞ作者の真骨頂ですね。

初期の名作らしい『兆』はちょっと冗長で、個人的にはどうかなと思いましたが、その他全般的には水準以上の作品が並んでいます。マニアックな読者にしかお薦めはできませんし、勿論ミステリではないので本サイトではあまり大っぴらに誇れるものでものでもないですが、グロテスクに芸術性を求める人には読んでいただきたいですね。

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