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ミステリの祭典

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匿名交叉
改題『彼女はもどらない』

作家 降田天
出版日2016年06月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 蟷螂の斧
(2022/05/26 11:09登録)
裏表紙より~「児童向け雑誌の担当を外された編集者の楓は、娘のコスプレ衣装を自作する「ソラパパ」のブログに批判的なコメントを残したことから、過去のブログを匿名掲示板に晒されてしまう。そのことから陰湿なストーカー被害に遭うようになった。一方、「ソラパパ」こと棚島は、家庭や職場でのストレスを解消するため、ブログで粘着してきた「色葉」を破滅に追い込もうとする―。匿名の二人が交叉したとき、驚愕の真実が浮かび上がる!」~

共感できる人物が登場しないところがイヤミスと評される所以か?。プロットは面白かったが、どんでん返し後の説明がくどいような・・・。楓14歳の事件は誰でも判り切っていると思う。よって、それらを前にもっていき、どんでん返しを最後にとすれば、効果的で評価はもっと上がったと思う。

No.1 7点 虫暮部
(2020/08/20 17:51登録)
 前作と似た趣向とはいえ、仕掛けが効いていて楽しめた(刊行順に読んでないのが良かったかも)。登場人物への共感と嫌悪感を両立させる匙加減が上手い。

 ネタバレしつつ揚げ足取り。
 “ネット上でつながったAとBがリアルでも身近な関係だった”と言うのは御都合主義的ではないか? との疑問に対して、“それを承知の上で結び付けた第三者C”が示され一応納得。
 しかし、その行動は“AとBが、互いのブログについては知らない”ことが前提。その状況は充分有り得るし、そうでなくてもCの不利益にはならないから、決定的な矛盾ではない。
 ただ、Cがその“前提”について何も考慮していないのは、作者が“Cの持つ情報の範囲”を意識せずに筆を滑らせちゃった感じもする。

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