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ミステリの祭典

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嘘をつく器 死の曜変天目

作家 一色さゆり
出版日2017年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2020/08/16 09:18登録)
 早瀬町子は一大決心をし、会社勤めを辞めて陶芸家・西村世外の窯元に弟子入りした。人間国宝の候補と目される世外だったが、同じく陶芸の道に進んだ次男・久作を後継にすることには迷いがあるようだった。そんなある日、世外は何者かに殺されてしまう。町子は美大の先輩で保存科学の専門家・馬酔木を頼り、世外とともに葬られた真相を追う。

 美術・芸術を題材としたミステリを得意とする作者、今回の舞台は陶芸界。幻の名器「曜変天目」をキーパーツとしながら、背景に新興宗教や陶芸界のライバル、後継ぎ問題などを絡ませ、一本筋ではない展開になっている。
 本筋は世外殺しの真犯人を追うフーダニット形式で、ミステリとしてもしっかりした作りになっていた。

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