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ミステリの祭典

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ママのクリスマス
ブロンクスのママ

作家 ジェームズ・ヤッフェ
出版日1992年12月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 7点 nukkam
(2016/09/22 00:44登録)
(ネタバレなしです) 1990年発表のママシリーズ第2作の本格派推理小説です。民族問題に宗教問題と大変重いテーマが突きつけられますが軽妙でユーモアを交えた文体のおかげでそれほど深刻さを感じさせないのはありがたいです。不真面目と非難されるかもしれませんけど私はミステリーをあくまでも娯楽作品として読んでいて社会問題を考えるのは別の時にしたいのです。本格派の謎解きに関してはさすがにヤッフェ、大変充実してます。ママをも恐れさせた「狂信者」には驚かされました。確かにあれは常人の理解を超越していますね。

No.2 5点 mini
(2010/12/24 09:36登録)
* 季節だからね(^_^;) *
シリーズが長編に移ってからは初読み、噂には聞いていたが舞台はカリフォルニア州に変更され、職業も純然たる公務員の警察官から民間の弁護士付捜査員に、さらに妻シャーリイが亡くなっていて独身に・・
多分、息子の新たなラヴロマンスを織り込んで長編向きに話を膨らませようとの意図もあるのかもしれないが、シャーリイが結構魅力的だったので、kanamoriさんのご指摘通り退場させたのは失敗でしょうね
新たなキャラである仕事上のボスは敏腕女性弁護士で、まぁ長編シリーズを開始した当時はキャリアウーマンを登場させる要望が出版エージェントからあったのかも知れないが、どうもこの手の人物を描くのがヤッフェは不得手な印象を受けるな
でもママの造形は短編時代から変わってなくて、昔からのファンには一安心だろうか
むしろ長編になって人物造形も深みを増し、人間ドラマ的要素の魅力が加わったのは良い方向に行った面もあると思う
ただ今作だけなのかも知れないが、事件性も展開も真相も何となく平凡で、採点が5点止まりな理由の一旦
ところでヤッフェはユダヤ人作家だが、ユダヤ教とキリスト教との違いが少々分かって興味深かったな、両者は発生としては根は一つだが、長年の歴史的な対立経緯を感じさせる
ユダヤ教徒にとってはクリスマスとは、関心の薄い異宗派の行事と映るんだな、キリスト教文化に対する皮肉がそこかしこに書かれているしね

No.1 6点 kanamori
(2010/12/21 18:00登録)
安楽椅子探偵”ママ”シリーズ、ロッキー山脈のふもとにある架空の町・メサグランデに舞台を移した長編の2作目。
背景にキリスト教とユダヤ教の微妙な関係という宗教・民族問題が絡むあたりは、とっつきにくい所がありますが、ミステリの構成としては手堅くまとまっていると思いました。
”本当の真相”は息子のデイヴにも知らせないというラストの二段構成は、前作に続き長編でのパターンでしょうか。

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