雨の恐竜 |
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作家 | 山田正紀 |
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出版日 | 2007年03月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 7点 | 虫暮部 | |
(2023/12/29 15:24登録) ヤングアダルトのレーベルを意識したのか、いつもより柔らかみのある文体、しかし時々いかにも山田正紀なやりとりが挿まって苦笑を誘われる。 作者はその枠組みを上手く使って、中学生と警察官と恐竜をシームレスにつないでみせた。読者はいつの間にか十四歳になっており、夕日の中の恐竜はあまりにも美しい。 ところで、登場人物紹介に “斉藤ヒトミ:本書の語り手” とあるが、彼女は視点人物であって語り手ではないよね。 一貫して彼女の見たこと思ったことだけが書かれてはいる。一ヶ所だけサヤカの視点になる部分があるけど、それはその場にいたヒトミにサヤカが語った事柄だとの解釈も可能。 すると実は “ヒトミ” と言う表記は一人称? 叙述トリック(笑)? |
No.1 | 5点 | まだ中学生(仮) | |
(2020/01/09 20:27登録) 恐竜の化石発掘現場がある田舎町で、20年の時を隔て2つの不可解な死亡事故が起こった。いずれも死体の近くに恐竜の形跡が発見され、恐竜が犯人だという噂まで流れる。 14歳の少女ヒトミ、サヤカ、アユミは幼馴染だが、疎遠になっていた。しかし3人とも事件に関心を持っていた。少女たちには、夕焼けを背にゆっくり歩いて行く恐竜を見たという忘れられない記憶があった。恐竜が犯人の筈はないと信じる少女たちが真相究明に乗り出す。 物語の展開とともに大人の世界の狡さ、いやらしさと、思春期の少女たちのピュアな想いがぶつかる。ミステリアスな謎解きと、少女たちの心の成長が絡んだ青春ミステリ。 |