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ミステリの祭典

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闇という名の娘
ヒドゥン・シリーズ

作家 ラグナル・ヨナソン
出版日2019年12月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 YMY
(2020/03/04 20:15登録)
主人公は、定年間近の女性警部フルダ。早期退職を迫られた彼女は、最後の仕事として未解決事件の捜査を始める。
物語の展開がもたらす衝撃もさることながら、読み進めるにつれて浮かび上がるフルダの内面と人生も印象深い。鬱屈とした読後感は決して心地よいものとは言えないが、忘れがたい余韻を残す。

No.1 6点 nukkam
(2019/12/24 21:13登録)
(ネタバレなしです) 2015年発表の本書は、女性警部フルダ・ヘルマンスドッティルを主人公にした三部作の第1作の本格派推理小説です(本国アイスランドではヒドゥンシリーズと呼ばれてるそうです)。特長としては本書が作中時代が1番新しく第3作が1番古いことで、本書のフルダはもうすぐ65歳、第3作のフルダは40代です。警察を退職目前のフルダの文字通り最後の事件は難民申請中のロシア人女性の不審死の再調査です(前任の担当刑事は自殺と報告)。雲をつかむような捜査描写のため謎解きはあまり盛り上がりませんが、フルダ自身のドラマとしてとても充実した作品で本格派好き読者よりも国内社会派推理小説好きの読者の受けがよいかもしれません。とはいえフルダが真相に気がつくことになる、さりげない手掛かりの配置は巧妙です。もっとも最後はミステリーとしてよりもドラマとしての衝撃が忘れがたい余韻を残しますが。

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