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ミステリの祭典

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伊勢佐木町探偵ブルース

作家 東川篤哉
出版日2019年08月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 人並由真
(2019/11/22 11:53登録)
(ネタバレなし)
 昭和の事件屋ものの連作ミステリっぽい作りで、味付けは水で薄めた『傷だらけの天使』という感じの一冊だが、全体的には悪くはない。
 もちろん国産ミステリの新刊を年に十冊単位で読んだとして、決して上位に来るような出来ではないが、こーゆー作品もあることに、どこか安心できる。
 どういう文芸ポイントが連作上の「お約束」になるかも当初から見え見えだが、そんなユルい作りもこれはこれで良し。
 
 希望を言えば女刑事の松本、もうちょっとメインキャラの3人にからませてもいいとは思うんだけど。
 今後は別シリーズとのクロスオーバーにも期待。

No.1 5点 まさむね
(2019/11/16 18:45登録)
 新シリーズ。主人公に男性を据えるのは久しぶりのような気がしますね。
 横浜・伊勢佐木町の私立探偵「桂木圭一」は、助手、というより舎弟の「黛真琴」とともに、日々活躍中。ある日母親が再婚したとのことで訪ねると、相手(つまりは義父)は神奈川県警本部長、かつ、自宅は大豪邸。その息子(つまりは義弟)は伊勢佐木署の刑事だった。義兄弟は次第に信頼関係を…という設定の短編集。
 ミステリー要素も、ギャグ要素も、いつもより相当に低い印象です。ハードボイルドっぽくはあるのですが、何となく中途半端な印象を受けましたね。「平塚おんな探偵の事件簿シリーズ」をほんの少しだけ引用していたけれど、今後何か展開しようとしているのかな、気のせいかな。
 個人的な結論としては「やっぱり烏賊川市シリーズを読みたい」ということになりますね。

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