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ミステリの祭典

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ZI-KILL-真夜中の殴殺魔

作家 中村啓
出版日2019年05月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 4点 蟷螂の斧
(2019/10/15 18:22登録)
主人公は自分が連続殺人鬼ではないかと疑心暗鬼になります。その描写が何回も出てくるのですが、文章がぎこちなく心に響きません。よって感情移入できなかったですね。スピード感も足りなかったし、恋人と謎の女性との関係も中途半端でした。内容自体も新鮮味はありませんでした。残念。

No.1 6点 人並由真
(2019/10/07 23:33登録)
(ネタバレなし)
 続発する凄惨な殺人事件。同一犯の仕業と思われる被害者はみな顔面を連打され、頭部を無惨な肉塊に変えられていた。警視庁と所轄の多摩山警察署は合同捜査本部を立てて、謎の殺人鬼「殴殺魔」を追う。だが多摩山署の32歳の巡査部長、夢川時勇には、恋人の浅倉美夏にも話せない、母・恵子と二人だけで共有する秘密があった。それは十数年前から時勇の肉体は、深夜のある時間帯にもうひとつの人格が支配することがあるという事実。そして今、時勇はそのもう一つの人格「ハイド」こそ、自分の知らない間に殺人を繰り返す殴殺魔ではないのかと疑惑を深めていく。

 作者の著作は初めて読んだ。設定が面白そうなので手に取ってみたが、接点の無さそうな被害者のミッシング・リンクものの趣向も導入されていて、それなりにミステリ味は豊富。一番のポイントとなる主人公の二重人格テーマも、なかなか新しい食感の包丁捌きがされている。
 警察小説としては、21世紀の昨今よくある、いかにも「テレビドラマの原作にどうですか」パターンの一本だが、それはそれとして各キャラを明確に立てていて出来は悪くないと思う。特にメインヒロイン枠が、主人公の恋人の美夏のみならず、同僚の若手刑事の岩井有紀、後半に登場する本庁からのエリート女刑事(こちらも若手)の大鳥桃代、さらに……と豊富に用意されているのは、まさに「プロデューサーさん、その辺りの女優枠のキャスティングも考えてありますよ」という感じだ。いや、こういう商売っ気、かえって潔い印象で気持ちいいわ。

 現状のAmazonのレビューがそろいも揃って星五つというのはさすがになんか胡散臭い? が、それなり以上に楽しめる力作なのは確か。
 個人的には、主人公の時勇にまっとうな人生訓を垂れた美夏の兄の慶一の扱いに、作者のダークな資質を感じた。
 続編? やれるものならやってみれば、というところで。

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