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ミステリの祭典

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極限捜査

作家 オレン・スタインハウアー
出版日2008年10月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 猫サーカス
(2020/08/20 18:33登録)
冷戦時代の東欧を舞台にした警察小説。殺人課捜査官フェレンクが担当した事件は明らかに自殺に思えた。だが相棒のステファンは他殺だと言い張り、捜査にのめり込む。第二第三の殺人が起き、第一の事件との意外なつながりが見えてくる。フェレンクは実は作家でもあるが、スランプに陥り作品が書けずにいるばかりか、妻との間がうまくいかず結婚生活まで破綻しそうになっている。しかも言論が弾圧され、あちこちに密告者が潜み、反政府主義者として目をつけられると、拷問されて殺されるか、収容所送りとなる閉塞した時代。捜査官として誠実に任務をまっとうしながら、困難な人生に勇敢に立ち向かおうとするフェレンクの姿が鮮烈に描かれ胸に迫る。

No.1 6点 八二一
(2019/09/26 22:10登録)
鋼鉄のワイヤーを張り詰めたような緊迫感が全篇を覆う、中年男の懊悩を描いた警察小説。とにかく最後の三十五ページが強烈。国家の独裁化が進む中で、アイロニーと恐怖に彩られた主人公の運命に固唾を呑んだ。

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