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ミステリの祭典

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バイロケーション

作家 法条遥
出版日2010年10月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2021/10/18 22:58登録)
注意!ネタバレはしていませんが、物語の肝となる部分に触れています。


画家を志す忍は、ある日スーパーで偽札の使用を疑われる。10分前に「自分」が同じ番号のお札を使い、買物をしたというのだ。混乱する忍は、現れた警察官・加納に連行されてしまう。だが、連れられた場所には「自分」と同じ容姿・同じ行動をとる奇怪な存在に苦悩する人々が集っていた。彼らはその存在を「バイロケーション」と呼んでいた…。ドッペルゲンガーとは異なる新たな二重存在を提示した、新感覚ホラーワールド。第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。
『BOOK』データベースより。

内容や評価などを忘れていた為か、ほぼ予備知識なしで読みました。よって導入部でいきなりクライマックスの様相を呈し、偽札事件の時点で頭の中が?で一杯になりました。うーむ、何だか知らないけどこれは面白い!となりましたね。その後は比較的落ち着いた展開で、次第に話が纏まり始め何となく先行きが予感できるような気がしてきます。そしてその予感を大きく上回る様な驚きはありません。

が、様々な事件が起きる中、終盤で第二のクライマックスと呼べる様な驚愕が待っていました。これは最早ホラーと言うよりミステリではないかと思いました。あれもこれも伏線だったのかと。思わず最初のページに戻って読み直しました、ええ二度見しましたとも。
若干ややこしい部分があり、もう少しスッキリした形で纏められていれば、もっと評価は上がったと思います。

No.1 5点 八二一
(2019/09/20 07:31登録)
緊密なルールに基づくホラーサスペンス。ロジカルに制御された緊迫した展開が全編を覆いつくす。ホラー的題材をSFミステリに仕立てており、幕切れも美しい。

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