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ミステリの祭典

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うまい汁
バーサ・クール&ドナルド・ラム

作家 A・A・フェア
出版日1960年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2023/03/14 07:54登録)
(ネタバレなしです) 1959年発表のバーサ・クール&ドナルド・ラムシリーズ第19作の本格派推理小説です。私立探偵ものとして失踪人探しの依頼から始まるのは定番中の定番ですが、本書の場合はハヤカワポケットブック版の裏表紙粗筋紹介や第5章での説明の通り、「おなじ日に二人の男が行方不明になり、両方ともおなじガソリンスタンドから絵はがきをだし、しかもその二人の身寄りがそろってうちの探偵社に調査をたのみにきたというのは、いくらなんでもあんまり偶然すぎる」というのがユニークです。メディアや警察との関係が良好でドナルドの捜査がとんとん拍子というのもこのシリーズでは珍しく、すっきりした展開で読みやすい作品です。第7章で噓発見器(ポリグラフ)を使った尋問シーンがあったのには驚きです(ドナルドは法廷での証拠にならないとわかっていますけど)。あと第2章で紹介されている、実在の社交団体エルクスの会員がヒッチハイクのサポートを受けるシステムが印象的でした。

No.1 6点 弾十六
(2020/01/29 00:22登録)
クール&ラム第19話。1959年2月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
依頼人は15歳の娘、ラム君は無料でエルクス所属の叔父さんの捜索を引き受けます。バーサが受けたお金になる依頼は行方不明の夫の捜索。偶然を信じないラム君 。二つの捜査が絡まりあい一本の筋になるのは作者の得意技です。警察と新聞記者を相手に危ない橋を渡るラム君、こんがらがった筋書きを見事な推理で解決、なのですが、犯人側から再構成すると、計画の意図がよくわかりません…
(2017年7月15日記載)

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