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ミステリの祭典

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Ank: a mirroring ape

作家 佐藤究
出版日2017年08月
平均点8.50点
書評数2人

No.2 9点 みりん
(2026/01/12 19:38登録)
なにこれ。書評数1件で埋もれていい作品ではないと俺の中で話題に。

人間だけがなぜここまで高度な言語を習得できたのか?本書では「自己鏡像認識」という人間と類人猿(チンパンジー・ボノボ・ゴリラ)にしか持ち得ない能力が鍵であると主張します。そして、なぜ古人類は死に絶えているのか?という謎にも、大胆で斬新な発想を披露します。
数多のミステリーのように、人工的に神秘性のある謎を構築しなくても、人間という神秘を探究するだけでここまで面白くできるのだと示してくれました。未曾有の読後感というのは言い過ぎか。「平成のドグラ・マグラ」と称されるべきだったのはデビュー作『QJKJQ』ではなく、この作品だったのではないでしょうか。『ドグラ・マグラ』よりも論説は幾分かわかりやすくエンタメ性も高いです。テーマとストーリーの連動具合では『幽玄F』の方が良かったが、発想力や斬新性で遥かに上回り9点。もう少しミステリー仕立てであれば満点献上でした。

私は今までにSFを3作ほどしか読んでいないのだが、本作がそこまで話題になっていないのを鑑みると、これが平均的な水準なのだろうか。だとしたら凄いジャンルだ。

No.1 8点 虫暮部
(2019/07/26 11:37登録)
 前半・何が起きているのか?:9割方見えている正解に向かって、残り1割の疑問だけを餌に読み進め、と言う感じで少々苛々。情報開示の手順にもっとやりようがあったのでは。
 後半・どう収束するのか?:期待したほど主題が広がらず。話の3分の2を過ぎてから偶然、有力な人物が絡んでくるのも御都合主義的だ。ところで、障害のある人は暴徒化しないように思うが、その点については殆ど触れていないね。
 総体としてのネタ/ストーリー/キャラクターは充分面白いが、それらをベストの形で展開し切れてはいないと思う。藤田和日郎の某漫画を髣髴させるのはまぁ偶然かな。

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