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ミステリの祭典

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ハンティング
スティーブン少年とジョーナス巡査

作家 ベリンダ・バウアー
出版日2013年09月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 びーじぇー
(2025/06/16 20:43登録)
苛酷な体験をした前二作の主人公に再度スポットを当て、彼らがいかに過去と向き合い決着をつけるかをテーマに、デビュー作以来の変わらぬ姿勢で、家族であるが故に生じる愛憎、懊悩、屈託を丁寧に描いている、
決して派手な演出や凝った仕掛けがなされている訳ではないし、被害に遭うのはいつも子供や老人といった弱者なので、心が痛むが随所でユーモアを効かせる筆致には思わず笑みがこぼれた。

No.1 5点 YMY
(2019/07/17 19:24登録)
3部作の完結編で、1作目で殺されかけた少年スティーヴンと2作目で妻を亡くした巡査ジョーナスが登場する。
英国の寒村で次々に子供が失踪し、現場から「お前は彼女を愛していない」と書かれたメモが見つかる。親たちは絶望に突き落とされ、恋に癒されつつあったスティーヴン、休職し孤独に苦しむジョーナスも事件に巻き込まれる。
だが、犯人もまた愛を失った一人であった。悲嘆と怒りから誘拐を企てた動機には説得力があり、悲哀すら漂う。この愛と喪失の物語は悲しくも美しい。

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