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ミステリの祭典

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ロープとリングの事件
ビーフ・シリーズ

作家 レオ・ブルース
出版日1995年03月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2014/08/14 12:24登録)
(ネタバレなしです) 1940年発表のビーフ巡査部長シリーズ第5作です。この作品はアイデアの秀抜さと作品の完成度をどう評価するかで読者の好き嫌いが大きく分かれそうですね。謎解きの論理性や読者に対するフェアプレーという点では遺漏があり、おまけに信じ難いほどの警察のチョンボ(国書刊行会版の巻末解説でも触れています)もあって本格派推理小説としてのプロット完成度は低く、ここを重視する読者の評価は厳しいものになるでしょう。一方で非常に珍しい仕掛けが用意してあり、この独創性(私は他の例を知りませんです)を高く評価する読者もいるでしょう。せっかくのアイデアも処理の仕方が雑なので損をしていますが。

No.1 5点
(2009/03/05 21:33登録)
小説としての出来ばえで評価すれば、あまり高い点数は付けられません。いくら犯人の意外性が原理的に独創的で説得力があっても、その意外性を劇的に見せるストーリー構成ができていなければ、効果は半減です。本作では、ごく普通に考えれば第1の事件での犯人像が、明らかな証拠からかなりしぼられてしまうため、ミスディレクションが有効に働いていないのです。
たぶん同時代の巨匠たちに対するコンプレックスに根ざしたと思われる奇妙なユーモアも、それほど楽しめませんでした。ビーフ巡査部長自身はなかなか愉快なキャラクターなのですが。

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