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ミステリの祭典

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ゴーン・ガール

作家 ギリアン・フリン
出版日2013年06月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 ◇・・
(2020/07/26 12:01登録)
エイミーとニックの視点で交互に語られるこの物語は、事件の真相がかすかに見えてきたところで、突然ゾッとするような心理スリラーに方向転換する。
通常のミステリとは一線を画す複雑な構成の心理スリラーで、読者は何を信じてよいのか絶えず分からなくなる。通常の心理スリラーでは物足りなくなっている人でも満足できるのでは。

No.1 5点 猫サーカス
(2019/07/02 19:54登録)
嫌な気分になるミステリー(イヤミス)の全米ヒット作で印象は強烈。失業したニックは美貌の妻エイミーと故郷ミズリー州の田舎町に移り住んで2年。結婚5周年の日にエイミーが失踪し、妻殺害の容疑をかけられる。ニックの独白とエイミーの日記が交互に登場する物語から、結婚生活ではよくある行き違い、倦怠、失望がくっきり浮かび上がる。「本物の愛とは、ありのままの自分でいることを許してくれるものであるはずだ」と自分のいたらなさを正当化するダメ夫ニックに、舌打ちしたくなる人もいるかもしれない。しかし、途中からストーリーは意外な展開に。作者の用意したラストは痛烈な皮肉なのか、愛と人生の苦い真実なのか。読者一人一人が結婚の意味について、しばし思いを巡らすに違いない。

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