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ミステリの祭典

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季節はうつる、メリーゴーランドのように

作家 岡崎琢磨
出版日2015年07月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 zuso
(2020/01/22 21:16登録)
「季節」にまつわる謎のお話。謎のことを「キセツ」と呼び、日常に潜んでいる謎を解き明かしながら物語は進み、最後には大きな謎を解く。その「謎」が魅力的。
またこの作品の魅力になっている「謎」はもう一つあります。人間の心です。人の感情というのもまた、私たちにはわからないもの。相手がどう思っているのか、または、自分がどう思っているのか。そういう人の心にも「謎」が潜んでいるものです。
この作品のもう一つのテーマは「片想い」です。相手に恋する主人公とヒロインの、「キセツ」を通した交感がこの本の主題になっています。恋愛と絡んだミステリ小説は昔からありますが、この作品ほどロマンスとマッチしている作品も少ないでしょう。

No.1 6点 まさむね
(2019/10/22 22:30登録)
 文庫版背表紙のあらすじから引用します。「ウィットに富んだ日常の謎から、誰もが目を瞠る驚きのラストへ。切なさ最大級の青春片愛ミステリ」。誰もが目を瞠るのか、そして最大級の切なさなのかは別として、内容としては概ねそんな感じですね。
 評価は微妙で、個人的にも、相反する気持ちが入り混じっています。全体として「巧く纏めている」と思う一方で、「結局何を読まされたのやら」との感情も否定できません。夏樹と冬子の心情に関しても、とある一点では絶妙なリアリティを感じるのだけれども、「そこまでして2回も拒絶しないよね」という超絶な違和感も抱きます。最終的には「どっちもどっちだよね」と思いつつ、「どちらかと言えば(敢えてここでは特定はしないけど)Aさんが悪いよね」との思いも残ります。
 まぁ、中途半端な書評で申し訳ないのですが、色々な意味で記憶には残りそうです。

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