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ミステリの祭典

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天冥の標X 青葉よ、豊かなれPART3

作家 小川一水
出版日2019年02月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 7点 八二一
(2023/03/15 20:27登録)
壮大な舞台、遠大な歴史、緻密な設定、マクロとミクロを自在に行き来する視点。ロストテクノロジー、パンデミック、未来の性愛、異星知性、毎回テーマを変えながらも、その根底には一貫して「生きること」があったように思う。
西暦201X年、地球から始まった物語は、思いも寄らない遠くまで読者を連れてきてくれた。ここにはSFに描けるもの何もかもがある。

No.1 8点 糸色女少
(2019/06/10 21:04登録)
「Ⅰ メニー・メニー・シープ」から10年。21世紀初頭から29世紀に至る壮大な未来宇宙叙事史を描き切った著者に、感謝したい。
人類は、謎の感染症「冥王斑」や地球環境の悪化に苦しみながらも、ロボット工学や宇宙開発によって活路を開いてきた。月や火星への移民、新たな生存環境に適合するための人体改造や、それに伴う性愛の多様化、感染症への対応を巡る政治的分断、知的生物との出会いなど、シリーズを通して人間の在り方を考えさせられるテーマが展開。その果てに人類は自分たちが、銀河全体を襲う宇宙規模の脅威に直面していることを知る・・・。
人類の卑小さを見せつけられる場面も多いが、どんな困難に直面しても常に「理解しがたい他者」との共存を探り続ける人々の姿は感動的で、不寛容が覆いつつある私たちの社会に対するアンチテーゼのようでもある。

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