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ミステリの祭典

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カナリアはさえずる

作家 ドゥエイン・スウィアジンスキー
出版日2018年12月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 YMY
(2024/01/19 22:28登録)
ひょんなことから犯罪者の世界に飛び込んでしまったヒロインが、襲いかかるトラブルをどう乗り越えていくのかが読みどころ。いかにも普通の大学生といった口調で、プロの犯罪者、捜査官もびっくりの策をひねり出すサリーの視点のパートは、作者らしい捻じれた物語の魅力を放っている。
ヒロインの語り口や、家族をめぐるドラマを絡ませる点など、洗練されたサスペンスアクション。

No.1 7点 猫サーカス
(2019/05/03 18:44登録)
覚えにくい名前の作家だが、過去の作品のインパクトは強烈だった。邦訳された「メアリー―ケイト」「解雇手当」の2作は、いずれも予測不能の奇異な展開が印象深い怪作。そんな作者の10年ぶりの邦訳となるのがこの作品。奇抜なアイデアと意外な展開はそのままに、より地に足の着いた、読ませる小説に仕上がっている。サリーは大学に入ったばかりの優等生。だが、先輩のせいで麻薬取引に巻き込まれてしまった。彼女を捕まえた刑事によって、学内の情報提供者として麻薬捜査に協力することに。先輩を密告するわけにいかないサリーは、代わりに別の売人を探し始めた・・・。密売人や殺し屋がうごめく麻薬取引の世界に放り込まれた少女が、生命の危機を切り抜ける。自らの意外な可能性を見出したサリーは、悪党たちを相手に大活躍を繰り広げる。麻薬社会を描いた生々しい犯罪小説であると同時に、その核にあるのは、一人の少女が大きく成長する冒険の物語。飽きさせない語り口も巧妙で、最後まで一気に読ませる。

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