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ミステリの祭典

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月館の殺人

作家 綾辻行人
出版日2005年08月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 みりん
(2023/07/12 18:39登録)
絵が可愛いし終始コミカルな雰囲気なんだけど、6人も死ぬ連続殺人事件の舞台には合ってないと思う。
本格ミステリとしてはなかなか楽しめた 上巻の最後に明かされる1つ目の仕掛けは特に

No.1 5点 バード
(2020/03/29 12:23登録)
(再読シリーズ8)
本屋で見かけ僅かに見覚えがあったので自宅を漁ったら見つかった。たしか館シリーズにはまっていた頃に本書もシリーズ作と誤認して買った。まんまとミスリード狙いのタイトルにひっかけられた迂闊な読者です(笑)。
所有していたことすら忘れていたので、ほぼ初読の感覚での再読。

<以下ネタバレあり>
吹雪で外界と隔離された館に胡散臭いメンバーが集まり連続殺人が起こる、という王道ミステリの構成。ミステリ的ギミックが豊富に盛り込まれており、いかにも「原作:綾辻行人」らしい物語である。
好きなギミックの一例は、

・読者視点だと一つ目の大きな種明かしである、列車が動いていないと判明するシーン(上巻ラスト)
・現場検証が進み弁護士が疑われる展開(犯人のミスリード役としての機能)

である。大した事ないという感想の人もいるかもしれないが、個人的には悪くないミステリだった。

しかし、本書の評価がまずまずなのは「漫画」の命であるキャラクターがイマイチだったからである。
(人気漫画の『名探偵コナン』が完全にキャラクター人気で売っているように、ドラマ、映画、漫画といった視覚からも情報が入る媒体では、登場人物のキャラクター性が小説に比べ重要である。)
本書は主人公、脇役共にキャラ付けが今一つで、例えば容疑者役のテツ共である。こいつら全員質の悪い鉄道オタクというキャラで嫌な感じの奴らなのよ。で、序盤から終盤までこいつらの鉄道オタ悪ノリギャグがちょいちょい挟まれるのだが、嫌な奴のギャグほど寒いものもなく、読んでいて冷める要素だった。そういうギャグを繰り返すなら、なんとなく憎めないキャラ付けをするべきだった。
(綾辻さん原作物だと『Another』のアニメなんかは上手くキャラ付けできていたと思う。)
シナリオそのものが悪いのではなく漫画への落とし込みが上手くなかったという印象。

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