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ミステリの祭典

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りぽぐら!

作家 西尾維新
出版日2014年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 虫暮部
(2020/05/28 11:09登録)
 この手の言葉遊び、作者は書くほどにレヴェルアップして楽しめるが、読者はなかなかその楽しみを共有しづらい。思うに本書の場合、禁断ワードがランダムなのが一因で、例えば“ア行禁止”とか“濁音禁止”のようにシンプルならばもう少し親しみ易かったのでは。甘いかな?
 純粋に小説として読めば、「妹は人殺し!」が大好き。

No.1 5点 メルカトル
(2019/03/23 22:11登録)
リポグラムとは特定の語、特定の文字を使わないという制約のもとに書かれた作品のこと。
収録作品は『妹は人殺し!』『ギャンブル札束崩し』『倫理社会』のオリジナルとそのリポグラム版それぞれ4編の合計15編です。各々異なる平仮名10文字又は16文字を禁止ワードとし、それらを一切使わず同じ話4編を完成させるという、誠に奇矯で無謀な試みに挑戦した意欲作です。

オリジナル自体は面白いのですが、読者は全く同じストーリーを5回読まされることになり、いい加減飽きてくるのは致し方ないと思います。多少の忍耐力を要求されます。ただ、禁止ワードが異なることにより、作風も必然的に様々なものになり、例えればスープは同じで麺が違うラーメンを何度も食べるようなものって感じでしょうか。古文体であったり、耳慣れない単語を駆使したり、或いは造語を使ってみたりと苦労の後が伺えます。
段々レベルが上がって難易度が高くなっていくので、最後は何とか読解できるギリギリの線になってしまいます。特に「は」と「を」が禁止ワードに含まれている最終話はほぼ箇条書きに近く、これだけ読んだら疑問符の連続だったのではないかと思いますね。
システム上5編なのはやむを得ないですが、せいぜい3編位が限界でしょう。余程のファンでない限り正直キツイです。

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