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ミステリの祭典

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刑事シーハン 紺青の傷痕

作家 オリヴィア・キアナン
出版日2018年11月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 びーじぇー
(2023/09/21 20:12登録)
フランキー・シーハンは、巡査から十五年かけて警視正に出世し、今は重大犯罪捜査局の指揮を執っている。そんな彼女が、ある事件で犯人にナイフで切り付けられ負傷し、休職を余儀なくされた。現場に復帰した彼女を待っていたのは、大学講師のエレノア・コステロの変死事件。
死んだ講師は自殺なのか他殺なのか、という謎から始まり、行方不明の夫は生きているのか死んでいるのか、DVの被害者は妻なのか夫なのか。どちらに解釈すべきか迷わされる謎が次々と現れるのが本書の特色だ。シーハンは信頼できる相棒とも言うべきバズ・ハーウッド刑事をはじめとする部下たちを率いながら、堅実な捜査で真相に迫っていく。
シーハンは自身が傷を負わされた事件の裁判で証言台に立たなければならず、その精神的重圧が彼女にのしかかっている。さらに終盤になると、予算が乏しいという理由で上司から捜査の打ち切りを命じられる。追い詰められた彼女がどうやって真犯人を暴くかが読みどころだが、予想の斜め上とも言うべき真相は評価が分かれそうだ。

No.1 5点 YMY
(2019/03/21 10:47登録)
舞台はアイルランドのダブリン。主人公のシーハンは、警視正という階級だが、現場での捜査を好む根っからの刑事。彼女は共感を武器に捜査を進める。そのため、真相を追う過程で、自らも心に傷を負わざるを得ない。丁寧に描かれた警察の捜査活動と、体当たりで事件に挑む刑事の姿が心に焼き付く小説。

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