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ミステリの祭典

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長崎・ばてれん列車殺人号
瓜生慎・真由子シリーズ

作家 辻真先
出版日2005年09月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 まさむね
(2020/01/09 22:45登録)
 個人的な話で恐縮ですが、昨年の秋に松浦鉄道を辿って平戸を訪れる機会がございました。急ぎ足の観光となりましたが、平戸島の方々も大変親切で、今度はもっとゆっくりと訪れてみたいとものだと感じました。年を越し、古本屋の新春セールで見かけたのが本書。平戸の印象が鮮明であったこともあり、詳しい内容も確認せずに、思わず手にしたものです。
 テツに造詣の深い辻御大だけに、鉄道系アリバイを使ってくるのかと勝手に想像していたのですが、内容としては密室×2でしたね。1つ目の密室については、まぁ積極的なコメントはしにくいですが、メインの密室や人間関係を含めた全体構成は流石に堅実ででした。会話など、ちょっとむず痒い書きぶりもございましたが、個人的な旅愁も手伝って、なかなか楽しめましたよ。

No.1 6点 mediocrity
(2019/03/20 19:00登録)
この方、本業は脚本家なのだろうか、推理作家なのだろうか。wikiを見る限りどちらもすごい仕事量だ。
ジャンルは一応トラベルミステリにしたが実際は密室2つの謎解きがメイン。
トラベルミステリというジャンル自体なんとなく量産作家の適当な作品が多いイメージが強いが、この作品は短いながら非常に丁寧に書かれている。それ以上に作者の「時代について行くぞ!」という意気込みがすごい。73歳時の作品とは到底思えない。
トリックも古典作品の時代には存在しなかった物を多用する。他の流行作家のパロディーもあって楽しい。

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