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ミステリの祭典

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ダイヤルMを廻せ!
戯曲

作家 フレデリック・ノット
出版日2018年06月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 8点 蟷螂の斧
(2023/12/24 13:55登録)
映画の原作を読むマイシリーズ。1954年ヒッチコック監督により映画化、1998年、マイケル・ダグラス氏主演でリメイクされています。「暗くなるまで待って」(1967年)オードリー・ヘップバーンさん主演も著者の作品(戯曲)ですが翻訳はされていません。残念。さて、本作は・・・著者によれば「計画を練るときには完璧であっても、実際に行ってみると、思わぬトラブルがあり、・・・」の如く、犯人側にとって大トラブル発生。凶器に係る伏線が気に入っています。倒叙形式の傑作。

No.1 6点 人並由真
(2019/03/03 03:29登録)
(ネタバレなし)
 同名のヒッチコックの映画版で日本でも著名な、1952年に英国で初演されたオリジナルミステリ劇の戯曲の邦訳。巻末に質量ともに素晴らしい町田暁雄氏の解説がついているが、それによると今回の翻訳は、改訂が加えられた1953年の米国版をベースにしたそうである。

 本書を読む前に復習にと思い、実にウン十年ぶりにヒッチコックの映画版を視聴した。結局、その原作となるこの戯曲版のストーリーは映画と8~9割方は同じなので、内容的には再履修するような感じであった。読みながら当方が気がついたわずかな異同は、ほとんど、より緻密に愛情を込めて巻末の解説で言及されているし、読者としては立場がない(笑)。
 一読しての印象だけいえば、目で会話とト書きだけの物語を追い掛ける分、色彩豊かな映像や音感での補強がある映画版とはまた異なった凝縮感は得られたが。

 ちなみに前述通り、本当に充実していて教えられることも多い解説だが、あえて重箱の隅で一つだけ(汗)。
 作者フレデリック・ノットは本作や『暗くなるまで待って』などオリジナルのミステリ劇を3本書いたほか、他の作家のいくつかのミステリ小説の戯曲化などもしていたそうである。それでその中のひとつが「トマス・スターリングの小説から脚色した<MR.FOX of Venice>(1959年)という戯曲である。」(巻末の解説そのまま)だそうだけど……スターリングでベニスでフォックス氏といえば、これはもうポケミスから刊行されている『一日の悪(わずらい)』のことでしょう。原題は違うけれど。作品名を書かないことは別段マチガイじゃないけれど、クラシック主軸のミステリファン向けの叢書なんだし、ネタバレにでもならないのならそこまで触れておいた方が絶対にいいよね?
 町田氏の知見の内になかったとしても論創の編集側から、該当の原作に翻訳があることとその邦題くらいは教えてあげてほしかった。まさか知らないワケはあるまいし。

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