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ミステリの祭典

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スイート・マイホーム

作家 神津凛子
出版日2019年01月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 蟷螂の斧
(2019/09/12 13:21登録)
キャッチコピーは「イヤミス」ならぬ「オゾミス」。テイストは貴志祐介氏の「黒い家」あたりか。デビュー作ということで、構成や文章のぎこちなさは致し方ないところ。内容的にはよくあるパターン。評価できる点は「ラストの一行」的作品といったところか?。

No.1 7点 猫サーカス
(2019/04/17 20:18登録)
小説現代長編新人賞受賞作で、選考委員「全員戦慄」(カバーの惹句)。しかも珍しくミステリー、それも嫌な気分や後味で勝負するイヤミス全開。スポーツインストラクターの賢二と妻のひとみは赤ん坊のために「まほうの家」を建てる。1台のエアコンで家中を暖められるシステムで寒がりのひとみは喜ぶのだが、奇妙な現象が次々に起きて、いつしか殺人事件へと発展していく。前半はややホラータッチで進み、よくある怪異譚と思わせて、第2章で反転させて(さりげなく時間をさかのぼる手法がうまい)禍々しい存在を明らかにする。そして第3章では恐怖とおぞましさを一段とエスカレートさせ、伏せられた過去の秘密を前面に打ち出して凄まじい対決場面へと導いていく。「ここまでおぞましい作品に接したのは初めてだ」(選考委員・伊集院静)とあるほど、狂気と悪意は鋭くとがれて読者の価値観を根底から覆す。新人の出色のデビュー作といえるでしょう。

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