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ミステリの祭典

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イヤミス短篇集

作家 真梨幸子
出版日2016年11月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 7点 ミステリーオタク
(2019/08/06 21:58登録)
この作者でこのタイトル・・・当然期待値が跳ね上がり、小汚ない雑多料理屋の裏の特大生ゴミポリバケツの蓋を開けた時のような生臭さが味わえるかと思ったが、せいぜい腐りかけた青カビチーズ程度だった。
マリちゃんにはもうデビュー作やドロドロ三部作の頃のパワーはないのだろうか。

No.2 5点 HORNET
(2019/06/08 10:49登録)
 真梨幸子らしい、特に「女性の怖さ」をテーマとした内容が多い短編集。
 私としては、女性の仲良しグループに潜む本音をコミカルに描いた「いつまでも、仲良く。」と、Webサイトの管理をするという面白いテーマを扱った「ネイルアート」がよかった。
 特に後者については、それにくらべると本サイトの投稿者は皆さんマナーが良くてありがたいなぁと思った(笑)

No.1 5点 E-BANKER
(2019/02/23 11:45登録)
2007年~2013年にかけて「メフィスト」誌などで発表された作品をまとめた短篇集。
その名も「イヤミス短篇集」(!) 
さぞかし“イヤーな”感じなんだろうな・・・

①「一九九九年の同窓会」=同窓会の主役に祭り上げられる男。そして幹事役としての役割を率先してこなす男。実は裏側では・・・という実際にありそうな話。別に“イヤ”じゃない。
②「いつまでも、仲良く」=昔からの仲良し五人組。グループのなかで最下層(容姿で)にいたはずの女性がダイエットに成功して想像以上の美女に! グループ内のヒエラルキーは崩壊。でも結局は・・・というお話。いかにも女性グループっぽい。別に“イヤ”じゃない。
③「シークレットロマンス」=上司と部下が男女の関係に・・・それこそありふれたお話なのだが、本編はひと味違う。そこにさらに一人の男と一人の女が絡んでくるのだが、やがて思わぬ方向に・・・。これは“イヤ”だ。(最初は「オッサンズ ラブ」的な話かと思ってた・・・)
④「初恋」=中学生時代の甘~いお話、な訳ない。恋していた同級生の美少女は・・・という展開。でもそれほど“イヤ”じゃない。
⑤「小田原市ランタン町の惨劇」=本当にあるのでしょうか? ランタン町って? まっそれはどうでもいいのだが、これは“イヤ”だ!と思ったら、最後に軽く救われる。じゃあ“イヤ”じゃない。
⑥「ネイルアート」=ある企業が運営するサイトでのやり取りをテーマとした一編。まとまりなくダラダラ書かれたのが惜しい。オチも見えやすいのが×。それほど“イヤ”でもなかった。

以上6編。
なにしろ「イヤミス短篇集」と銘打っているくらいだから、よっぽど“イヤーな”感じなんだろうと構えていたんだけど、③が割とイヤだった他はそれほどでもなかった。
まぁー若干背筋がヒンヤリという感はなくもなかったけど、こういう手のジャンルが好きな方にとっては喰い足りない水準ではないか。

女性作家だけあって、どっちかというと女性視点で女性のイヤーなところをあからさまに書いた方が良いのでは?
あまりホラー寄りになるのも嫌なので、立ち位置が難しいな。
これが作者の初読みなんだけど、続けて手に取りたいというほどでもなかった。
(ベストはうーん③かな・・・)

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