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ミステリの祭典

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朝比奈うさぎの謎解き錬愛術
朝比奈うさぎ♥望月迅人

作家 柾木政宗
出版日2018年11月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 4点 まさむね
(2020/02/07 22:30登録)
 美少女女子大生「朝比奈うさぎ」のキャラ、「迅人さんはうさぎのこと、好きなのですね」辺りの決め台詞に、最初は結構戸惑いましたね。いや、最後まで結構戸惑ったかな。「新感覚ラブコメ本格ミステリ」との謳い文句ですが、ラブコメ要素もミステリ要素も、特筆する部分は少ないかも。最終話での捻りや伏線回収は、この作者の得意パターンではあるのですが、本作では絶大な効果とまでは言い難いですね。4点と5点の間といった印象かな。

No.1 5点 人並由真
(2019/02/13 16:16登録)
(ネタバレなし)
 「僕」こと望月迅人(はやと)は、警視庁の敏腕刑事である美人の姉・弥生から財政的な支援を受けながら、流行らない私立探偵稼業を続ける25歳のイケメン。彼は殺人事件の現場に関わるごとに、冤罪の疑いをもたれやすい「もたれ」体質だった。だがそんな迅人がある事件で知り合った、今は女子大生の美少女・朝比奈うさぎ。ストーカーとして迅人を追い回す彼女こそは「彼が自分を愛してる」という論理を強引に肯定させる時にこそ、驚異的な推理力を発揮する名探偵だった。

 お騒がせの処女作に続く二作目。書下ろしで刊行された、全4編の連作中編集。今回は良くも悪くも赤川次郎風の、ライトパズラーのキャラクターものになった。罪のない? ストーカー少女探偵というコンセプト(とインパクト)は、同じ2018年に先に辻堂ゆめの『片想い探偵追掛日菜子』が出ちゃったしな。ちょっと遅かった(向こうのヒロインが惚れる相手は毎回変わるが)。
 ラブコメとしてはフツー、この手のミステリとしてはまあボチボチであった。エピソードの配列にちょっと工夫があるのはいいか。
 主人公トリオそのもののキャラクターは悪くないと思うので、次回は何かミステリ的な大仕掛けのある長編作品に登場させてくれればいいかも。まあそういうものを組み立てるコトこそが、難しいのだとは思うけれど。

(2月14日に追記)
 本文中のうさぎのこの言葉は好き。
「人生にやり直しなんてありません! 先に見えるのがただの真っ暗でしかなくても、ずっと進むだけなのです! あなたもうさぎも……誰だって、やりきれない思いがあったとしても……それに気付かないふりをしてでも、いくしかないのです!」
 強い、いい子だわ。

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