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ミステリの祭典

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忌まわしき悪党
ネロ・ウルフ(アーノルド・ゼック三部作) 別題「Xと呼ばれる男」

作家 レックス・スタウト
出版日2025年09月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 クリスティ再読
(2026/08/11 12:39登録)
さてウルフものでも、名作に挙げられることがある作品だ。ウルフの「モリアーティ教授」である、アーノルド・ゼック初登場作。というわけで期待は高まる。事件自体はオンエア中のラジオトーク番組で、ゲストが出されたドリンクを飲んだら毒死した、という極めて派手な事件。これはね~期待するな、という方がおかしい。

プロットとしては、その毒の仕掛けが誰をターゲットにしたものか?というのが二転三転する興味。ウルフも中盤で2回ほど鮮やかな推理をして、行き詰った局面を打開する。その推理が結構笑える真相を暴いたりするしね(苦笑)

で最終的なウルフの推理も、人間がこのような状況ではこう動くだろう、という弱めなロジックだけども、蓋然性があって無理のないもの。だから、あまり思い込みで断定せずに、プロセスをしっかりと集まった人々で実証して、真犯人を追い詰めていく。そういう丁寧さがウルフもののイイところだとは思うけど、日本の本格ファンはこういう動的な枠組みでの推理の物語の面白みを、スタティックな本格概念から外れるためにどうも見逃していたようにも感じるんだ。

というわけでシンプルによくできた話だと思う。ヴィランのゼックくんも、ウルフを絶賛しちゃうよ(笑)対決はまた後程。今回は前哨戦だ。

No.1 6点 nukkam
(2018/12/19 22:21登録)
(ネタバレなしです) 1949年発表のネロ・ウルフシリーズ第11作でアーノルド・ゼック三部作の第1作でもある本格派推理小説で、国内では雑誌「EQ」の125号から129号(1998年9月号から1999年2月号)の5回に渡って連載され、単行本は2025年にようやく論創海外ミステリ版で出版されました。ゼックはシャーロック・ホームズに対するモリアーティー教授のごとく暗黒街の黒幕という役柄のようですが本書では出番が遅く、しかも声のみの出演で存在感はそれほどでもありません。人気ラジオ番組の放送中にスポンサー提供のドリンクを飲んだゲスト出演者が毒殺される事件が扱われてます。名探偵が事件関係者を一堂に集めるといよいよ解決かと読者の期待が高まりますが、本書ではそれが実に3回もあります。新事実が明らかになって捜査は確かに進展しているのですがそれでも解決がなかなか見えてこない難事件です。ウルフの説明は「(証拠はないが)この仮説ですべて説明がつき、矛盾点もない」というもので、謎解き伏線を回収しての論理的推理を期待する読者には物足りなく感じられるかもしれませんが、プロットは充実していてそれなりに楽しめる作品です。

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