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| 作家 | 中村文則 |
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| 出版日 | 2014年07月 |
| 平均点 | 6.50点 |
| 書評数 | 4人 |
| No.4 | 6点 | ミステリーオタク | |
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(2026/08/20 22:23登録) 個人的に初読の作家の短編集。予備知識ゼロ。何で選んだかは忘れてしまった。 《糸杉》 ストーキング的行為で始まり、「糸杉」やその他の事象に対する偏執的で理解困難な主観観念が語られる。そして訳の分からない異常な性的観念と行為。 これを読んでこの本はもうやめようかとも思ったが、1作では分からないことは重々経験しているので何とかもう少し読んでみることにする。 《嘔吐》 と言いながら2作目もタイトルと出だしでゲンナリする。本作も精神のバランスが傾いた30代の男性が主人公で前作同様意味不明な情景描写に塗れている。 やはりこんな話ばかりが続くのかと半ば諦めの念を抱く。 《三つの車両》 前2作以上に訳のわからない話。 前作に少しだけ関連づけているが、思いついた妄想を思いつくままに書き連ねているだけ。何か意味がありそうなふうでもあるが何の意味もない話。 《セールス・マン》 これはコメディーらしい。全然面白くないが。 前作に続いて作者自身らしいNという作家が出てくるが、途中まで読んで実は2作目の主人公も作者自身であったことに思い至る。 最後のコメントは意味があるかもしれない。 《体操座り》 本作では再び主人公は作者のようだが、相変わらず変態と狂気の妄想が思いつくままに語られる。 《妖怪の村》 前半はヒッチコックの映画がモチーフかな。後半も勿論訳の分からん話が続くが所々に日本昔話の狂的パロディが貼り付けられている。 《三つのボール》 シュルレアリスムのつもりで何らかの意味をもたせているつもりだろうが何の意味もストーリー性も全くない文章の羅列。 これなら変態や狂気の話の方がまだマシ。 《蛇》 頭のおかしいエロ画家の話。ちょっとトリックがあるようだが意味不明。 《信者たち》 頭のおかしいエロクリスチャンの話。視点なんかどうでもいい。 《晩餐は続く》 本短編集で初の「まともな文章」で綴られる話。 まぁ「まともな話」とは言い難いが、「この人、普通の文章も書けるんだ」しかも実に切実で濃密な文章を。 《A》 そして表題作。 前作に続いて切実で濃密な「まともな文章」で戦争中の凄惨な一コマが延々と語られるが、何が言いたいのか分からなかった。決して反戦話ではないし。なぜこのタイトルなのかもサッパリ分からない。 《B》 これも前作に続いて戦時中の1シーンが描かれるが、やはり意図不明。 まぁ前作と合わせて「戦時下という極限状態での狂った人間性 A・B」と言ったところか。 《二年前のこと》 最後は作者のある体験談とそれに絡めての作家としての懊悩、不安、自己探求、そして独自の作家論をやはり濃密な文体で。 本書の13作の短編中、ミステリと言ってもいいであろう作品は恐らく1編のみ。 そして最終話以外は全て「狂気」がメインテーマになっている。これらの「狂気」は作者自身が自分の奥深くに潜在しているかもしれないと秘かに感じているものなのかもしれない。 |
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| No.3 | 6点 | take5 | |
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(2025/11/19 19:52登録) 途中まで、筆者がクスリでもやっているかと思いました。 最後の4つはよかったです。特に表題作と続きの『B』が 戦争の狂気をえがく作品としてかなり真っ当で、GOOD。 最終話は御自身の作家としての有り様が知れて、GOOD。 |
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| No.2 | 7点 | zuso | |
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(2023/01/19 23:05登録) 個人が何らかの大きな圧力により、狂気と呼ばれてもおかしくない状態に陥ってしまう状況は、表題作のような戦時中も平時でも変わらない。「自分はいま正気でいるだろうか」と、読後自らに問いかける人もいるかもしれない。 軽妙なタッチで描かれた作品も魅力的であり、一作ごとの作風の違いに驚かされる短編集。 |
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| No.1 | 7点 | メルカトル | |
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(2018/11/25 22:05登録) 「一度の過ちもせずに、君は人生を終えられると思う?」女の後をつける男、罪の快楽、苦しみを交換する人々、妖怪の村に迷い込んだ男、首つりロープのたれる部屋で飛び跳ねる三つのボール、無情な決断を迫られる軍人、小説のために、身近な女性の死を完全に忘れ原稿を書き上げてしまった作家―。いま世界中で翻訳される作家の、多彩な魅力が溢れ出す13の「生」の物語。 『BOOK』データベースより。 何だこれは。ミステリではない、幻想小説、寓意小説、官能小説、不条理小説などなどの塊だ。これらの作品は私の脳内に得体の知れない何かを侵蝕させる。それは恐怖、畏怖、畏敬、尊敬、軽蔑といった様々な感情かも知れない。中には全く無意味な小説すら混じっている。無意味さの中に意味を見出そうとするのは難しい。頭が痛い。しかし作者はそれを強要するのが私には腹立たしい。いや、そうではない。私自身が意味不明だと決めつけているだけで、多くの読者はその真意を既に掴んでいるのだろう。私には解らない。とにかく多くの作品が壊れているか、壊れかけている。しかし、どこか欠落している方が美しいと思うのは偏見だろうか。一つ一つの短編の中には確かだが未完成な小宇宙が存在している。その広大で歪な世界は我々を異郷へと誘うであろう。これはそうした・・・ そうした、一篇を読み終えるごとにため息を吐きながらインターバルを取ることしか許されない作品集なのです。 |
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