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ミステリの祭典

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二年半待て

作家 新津きよみ
出版日2017年08月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 まさむね
(2018/12/11 22:19登録)
 徳間文庫大賞受賞作品で、「大人のどんでん返しミステリー」と銘打たれております。その評について、個人的には半分は認める一方で、肩透かし感も半分くらい残るかな。
 どの短編も、就活とか最近はやりの「○活」をテーマにしていて、その一貫性には好感を抱くのですが、各短編の構成までもが似通っているような気がします。途中で察しがつく短編もあるし、察しがつかなくとも、ミステリーとしての「驚き」とはちょっと違う印象。
 とはいえ、全体的な印象は悪くなく、気軽に読みたい気分の大人向けの短編集といったところ。マイベストは、やはりミステリーとしての要素を備えている、最終話の「お片づけ」かな。

No.1 6点
(2018/11/22 10:13登録)
2018年、徳間文庫大賞を受賞。
松本清張の短編小説に「一年半待て」というのがある。それからの連想でちょっと読んでみた。
就活、婚活、恋活、妊活、保活、離活、終活などがテーマの家庭ミステリー短編集。
このテーマだから当然、社会派ではあるが社会派らしい重さはまったくない。著者お得意の心理ホラーでもない。

作品紹介には大どんでん返しミステリーとある。たしかに最後にどんでん返しのようなものはあるが、なぜか驚けない。想定の範囲というわけではない。ようするに、最後にいきなりきても、「あ、そうなの」という程度にしか感じられないというレベルだ。
保活の「ダブルケア」、離活の「糸を切る」、終活の「お片づけ」は6~7点。他は4,5点というところか。
最後の「お片づけ」だけは、はっきりとした謎が提示される日常の謎モノで、これだけはミステリーと言えるかもしれない。

ということで全体としてミステリーとしては低評価になってしまうが、ストーリーそのものはおもしろく、しかも時事ネタが盛り込んであり、上等の短編集だと思う。
読んで損はないし、かるく読めるし、ひまなときにさっと読むのにはちょうどいい。

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