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ミステリの祭典

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サキ短編集

作家 サキ
出版日1958年03月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点 蟷螂の斧
(2021/08/06 17:34登録)
帯~『ピース又吉が愛してやまない20冊!』の一冊(新潮文庫版)~
①平和的玩具 5点 戦争ごっこばかりしている子供たちに平和的玩具を与えたが・・・皮肉
②肥った牡牛 6点 画家の元へ隣家の夫人が牛が花壇を荒らしているので追い出してくれと頼みに来た。牛の絵ばかり描いているのなら扱いもわかるでしょうと・・・皮肉
③七番目の若鶏 6点 男は仲間に感心されるため表題の作り話を考えたが・・・自業自得
④運命 5点 家出した農家の息子と間違えられた一文無しの男は・・・無常
⑤ビザンチン風オムレツ 5点 パーティのため料理人を雇ったが、召使組合がストを・・・社会主義批判?
⑥休養 5点 休日の夜くらい選挙のことを忘れさせようと・・・目的達成?
⑦マルメロの木  5点 家賃が払え婦人を助けたい・・・「開いた窓」「休養」に登場のヴェラ嬢が
⑧親米家 6点 売れない画家の絵をアメリカ人が買ったのか?・・・反転
⑨十三人目 6点 再婚すると子供が13人となり不吉・・・ばかばかしいが笑える
⑩家庭 8点 彼はお茶の時間に「お湯をさしましょうか?」などと聞かれるのが大嫌い。彼女にプロポーズしに行くが今はお茶の時間だ。別の彼女の所へ寄ってみよう・・・爆笑
⑪おせっかい 8点 森の所有権をめぐり争う敵同士の二人。同じ場所で事故に遭い身動きが取れない。先に助けに来た部下が相手を殺すだろう・・・反転
⑫ある殺人犯の告白 4点 死んだ兵士の服と自分の服を交換。死体は自分で殺したのが兵士(自分)とされた。自分自身を証明しようとするが・・・教訓
⑬ラプロシュカの霊魂 6点 金に細かい男から借金。返さなかったら死んでしまい幽霊に・・・成仏方法
⑭盲点 7点 雇いの料理人が人殺しとの証拠の手紙を雇い主は燃やしてしまう・・・ブラック
以下「サキ傑作集」で評価済み
⑮二十日鼠 7点
⑯狼少年 7点
⑰話上手 4点
⑱開いた窓 7点
⑲宵闇 7点
⑳セルノグラツの狼 4点
㉑七つのクリーム壺 7点

No.1 4点 クリスティ再読
(2018/10/14 12:05登録)
困ったな。意外かもしれないが、評者は肌に合わない。シニカルでニヒル、とは言っても着地先の「安定性」みたいなものが垣間見れて、本当の意味で虚無的な部分や狂気はないように感じる。結局上品になるから、逆に一般受けしやすいのかもしれないが....
大体モーリス・ルヴェルあたりと同じ時代のショートショートになるわけだが、ルヴェルの悪趣味や残虐はない。単に「冷たい」だけの短編のような気がするのだが...まあ好きな人にはごめん、としておこう。

※これは昔からある新潮文庫(中村能三訳)の書評です。21作収録。「二十日鼠」「開いた窓」「狼少年」などを収録しているが、半分弱くらいはぎりぎり「ニアミス」と言えるかなぁ。miniさんが書いておられるけども、より「らしい」作品が収録されていない本ではあるようです(評者はあまり詳しくはない..)。

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