home

ミステリの祭典

login
泥濘
疫病神シリーズ

作家 黒川博行
出版日2018年06月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 HORNET
(2019/11/17 17:05登録)
 「疫病神シリーズ」というのですか。このシリーズは初めて読んだけど、飽きずに読ませる面白さはさすがで、抵抗感なく堪能した。
 にしても桑原の手の早さは病気だなぁ。こんな四方八方でやりたい放題やる極道、とても生き延びられそうにないけど。桑原と二宮の掛け合いは絶妙で、ハードなバイオレンスを絶妙なコミカルで味付けていると感じる。
 仕組まれている企みがやや複雑で、慣れていないと何度か前のページを繰るハメにはなる(私がそうだった)が、まぁ理解しきれていなくても場面場面の展開で楽しめるとは思う。
 シリーズものということだが、初読でも弊害なく楽しめた。

No.1 7点 猫サーカス
(2018/10/12 19:16登録)
極道の桑原と建設コンサルタントの二宮が活躍する「疫病神シリーズ」の第7作。第5作「破門」で、直木賞を受賞した傑作シリーズで、”浪速の読み物キング”(伊集院静)こと黒川の語りは滑らかで生き生きとしていて楽しい。今回の標的は高齢者を食い物にする警察官OBの親睦団体の「シノギ」で、大金をかすめ取ろうとするが、二宮は暴力団に拉致され、桑原は凶弾に倒れてしまう。逆転の秘策はあるのか?反発しながら助け合う桑原・二宮のコンビネーションが絶妙。黒川の別シリーズ、元刑事の堀内・伊達もの(「悪果」「繚乱」「果鋭」)には”相棒”と呼べる親密さがあるが、桑原・二宮ではどこまでも辛辣で皮肉なやりとりが繰り返される。ほとんど腐れ縁だが、今回は一段と深みに入り、何回も危機に直面する。それでいてきちんと笑いが絶えないのは会話の一つ一つがシニカルで味があり、人生の変転を見据える包容力があるからでしょう。

2レコード表示中です 書評