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ミステリの祭典

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死にゆく者への祈り
(元)IRA闘士 マーチン・ファロン

作家 ジャック・ヒギンズ
出版日1978年02月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 八二一
(2023/02/20 19:18登録)
アイルランド独立闘争に加わる主人公が誤って子供たちを乗せたバスを爆破する。その罪の意識からテロ活動を離脱する。
北国の暗い空の下で展開する知識人の悲劇が巧みなサスペンスで描かれる。
行動小説に近いが、ミステリとしての味わいも深い。

No.1 6点
(2021/04/16 23:22登録)
ヒョーツバーグの『堕ちる天使』に続きミッキー・ローク主演映画の原作2作目、というより映画版は未見で、主演がこれもロークだったことは全く知りませんでした。あらすじを読んだ限りでは原作にほぼ忠実なようですが、YouTubeで確認できるマイク・ホッジズ監督の腕はアラン・パーカーよりかなり落ちる感じです。
元IRAの銃の達人マーチン・ファロンが本作の主人公ですが、この名前、tider-tigerさんが『虎の潜む嶺』評でも書かれているようにヒギンズの別ペンネームです。ファロン名義での最初の作品は1962年発表ですから、本作の11年前、あえてその名前の人物を主人公にしたところに、ヒギンズの本作への思い入れがうかがわれます。ファロンだけでなくダコスタ司祭の人物設定も魅力的です。
ただ、そもそも司祭が目撃した事実と告解で聞いたこととは別問題だろうと思うのですが、カトリックに詳しいわけではないので、そこはなんとも。

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