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ミステリの祭典

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日光霊ラインの謎を追え!
埋宝伝説シリーズ 旧題「日光霊ライン殺人事件」

作家 荒巻義雄
出版日1986年09月
平均点3.50点
書評数2人

No.2 4点 虫暮部
(2022/04/06 15:05登録)
 随分無理が感じられる真相も、ニューヨークとかポストモダンとかいってないで、“一族の血の歴史” みたいなおどろおどろしい、もしくは幻想的な書き方なら、伝説との絡みも含めてもっと説得力を得られたのではないか。と言うか、“伝奇” と “ミステリ” の世界観をミスマッチなまま上手く重ねることを意図しているような気がするが、成功していない。

No.1 3点 nukkam
(2018/08/23 01:25登録)
(ネタバレなしです) 1986年発表の埋宝伝説シリーズ第2作の本格派推理小説です。冒頭のプロローグに「読者への挑戦状」を置き、徳川家康の財宝の謎と静岡の有度山で起きた現代の殺人の謎を読者に突きつけます。しかし随所で描かれる濃厚なベッドシーンは読者サービスのつもりかもしれませんが、読者の謎解き意欲を削ぐマイナス効果の方が大きいのではないでしょうか。また第2章でトリックについて「構造的には簡単だが、思考の盲点をついているので解くことが難しいトリック」を理想と語ってますが本書のトリックはそもそもの成立条件が非常に厳しく、そんなことまで考えていられないと感じる読者が少なくないような気がします。高木彬光の「刺青殺人事件」(1948年)やエラリー・クイーンの「ドルリー・レーン最後の事件」(1933年)のネタバレをしていながら、エピローグで「ミステリーのトリックを公開するのはルール違反」と主張する二枚舌的な作者の姿勢にも感心できません。

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