罪びとの手 |
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作家 | 天祢涼 |
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出版日 | 2018年06月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 5点 | メルカトル | |
(2020/11/08 22:20登録) 廃ビルで中年男性の死体が発見された。身元が判明しない中、葬儀屋が遺体を引き取りにくるが、葬儀屋・御木本悠司は、その遺体を目にした瞬間、刮目した。「これは俺の親父だ」。その偶然に疑問を持った刑事・滝沢圭は、単なる事故死と判断する本部に反発するようにその遺体に固執する。世の中を賑わす幼女連続殺人事件、葬儀屋の葛藤と苦悩、不遇な警察官を親に持つ刑事のトラウマ・・・・・・様々な要素が絡み合う中、意外な犯人と動機が明らかに! 平和な生活を犠牲にしてでも守らなければならない、刑事と葬儀屋の誇りとは・・・・・・慟哭の社会派ミステリー。 Amazon内容紹介より。 舞台が葬儀屋だけに全般的に重苦しく、ラストに至るまではじりじりしたような焦らされた感が強かったです。数えられるのは不可解な謎ではありますが、それだけで最後まで引っ張るのはちょっと無理があるかもしれません。文章は堅実だし人間もそれなりに描かれています、しかしトリックが・・・。意表は突かれたものの、それはないんじゃないの?と思ってしまいました。まあ予想出来る決着の仕方ではあった筈なのに、何だか騙されたような感覚に陥りました。 結局そういう事だったのねって感じで、確かに腑には落ちますがカタルシスとは程遠い結末になんだかなと思いましたね、ええ。 しかし、随分前になりますが、何故この本を入手しようと思ったのか、その時の自分に問いただしたい気分です。まあ葬儀屋という職業がどういったものなのか、勉強になりましたし、決して悪くはないと思いますが、読後感がイマイチスッキリしないというか、もう少し面白い話に仕上げられなかったものかと云う気分に駆られたことは確かです。 |
No.1 | 5点 | HORNET | |
(2018/08/19 10:24登録) 廃ビルで中年男性が、頭部を打撲して死んでいた。争った形跡もなく、事故で処理されようとするが、現場に駆け付けた一課刑事・滝沢は、死亡推定時刻よりも2日も前で止まっている腕時計に不審を抱く。そんな中、身元不明だった遺体の身元が偶然判明する。一時保管のために遺体の引き取りに来てもらった葬儀社の社長・御木本が、「この遺体は私の父だ」と言ったという。この奇妙な偶然に、ますます滝沢の疑念は深まる。これは事故ではない、殺人だ、だとすれば犯人は―? 生前に「俺の葬式は挙げないでくれ」と言っていた父の意向を無視して、大々的な葬儀を行おうとする御木本、遺体と対面した際に強い違和感を感じた、長男である御木本の兄など、謎めいた登場人物の言動により不可思議さは膨らんでいく。 しかしそれを受け止めるラストがやや期待外れだった。「それはナシになったんじゃなかったのか?」と感じられるネタだったのと、葬式の場での参列者を前にした真相解明というのがパフォーマンス感が強すぎて、鼻白んだところがあった。 |