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ミステリの祭典

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緑のカプセルの謎
ギデオン・フェル博士シリーズ

作家 ジョン・ディクスン・カー
出版日1958年01月
平均点7.38点
書評数21人

No.1 8点 Tetchy
(2008/12/07 00:49登録)
カー自ら「心理学的推理小説」と銘打った異色の作品。
『皇帝のかぎ煙草入れ』の感想でも書いたが、カーの持論“Seeing is deceiving(目は嘘をつく)”を直球ど真ん中でテーマにした作品。
毒殺というテーマと何度も繰り返される推理のトライアル&エラーからアントニー・バークリーの傑作『毒入りチョコレート事件』へのオマージュだと思うが、明からさま過ぎるのがカーらしい。

それだけに留まれず、なんといってもマーカスが仕掛けた観察実験とそれに関する質問に対する各人の見間違いの指摘がす語ぶる面白い。
文章でしか語られないのに、映像として目に浮かび、しかもそれが錯誤するように実に巧妙に仕掛けられているのが、明解に解るのだ。
これだけでも御飯3杯はイケル!(嘘です)

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