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ミステリの祭典

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貧乏お嬢さま、メイドになる
英国王妃の事件ファイル

作家 リース・ボウエン
出版日2013年05月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 まだ中学生(仮)
(2020/04/30 20:14登録)
ミステリとしてはシンプルだが、ビクトリア女王と血縁関係にある主人公が掃除婦をしているのがバレそうになって冷や汗をかくところや、気位が高い没落貴族たちの滑稽なやりとりなどミステリ以外の要素も楽しい。
セクシーでミステリアスなお相手とのGeorgianaのロマンスの行方も興味深い。

No.1 5点 nukkam
(2018/07/29 23:08登録)
(ネタバレなしです) 現在は米国に住んでいる英国の女性作家リース・ボウエン(1941年生まれ)が作中時代を1930年代に設定し貧乏な貴族令嬢のジョージーを主人公にしたシリーズの第1作が2008年発表の本書です。英語原題の「Her Royal Spyness」にちなんで本国では「Royal Spyness」シリーズと呼ばれているようです。もっとも本書を読む限りでは確かにジョージーが英国王妃からスパイ活動を依頼されるのですが、依頼内容は皇太子がのぼせあがっている女性が結婚相手としてふさわしいかを見極めよというもので、一般的な意味でのスパイ・スリラーを期待してはいけません。今まで自力で火を起こしたことさえないジョージーが1人暮らしをすることになって奮闘したり、働きながら同時に知り合いに見つからないように気を配らなくてはいけなかったり、ロマンスも織り込まれたりとミステリー以外の描写にも随分と力が入ってます。ミステリーとしては殺人に巻き込まれて(しかも兄と共に容疑者扱い)解決のために奔走しますが動機が終盤も終盤、27章の最後にやっと紹介されるので(他にも謎解き伏線はありますが)解決に唐突感があります。

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