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ミステリの祭典

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神のダイスを見上げて

作家 知念実希人
出版日2018年11月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 sophia
(2021/11/25 23:34登録)
小惑星の衝突による地球滅亡をタイムリミットとしたフーダニット&復讐劇。接触した人物が次々と殺されていき主人公自身も容疑者になってしまうというというサスペンス要素もあり、謎めいた同級生の女の子との青春もあり、それら全てが終末的な潮流に支配されているという、言うなれば一種の特殊設定ミステリーといった作品です。追いかける犯人像が二転三転していくのはこの手の作品の王道なのですが、最後の最後のどんでん返しが推測に過ぎず雑に感じました。もう少し根拠となるような伏線を張ってもらいたかったです。それと市川憂人の某作を先に読んでいなければなあという個人的事情も併記しておきます。

No.1 7点 makomako
(2021/09/23 20:08登録)
硝子の塔の殺人のようなバリバリ本格推理を読んだ後に本作を読んだせいか、大分SFぽい感じがしましたが、これはこれでなかなか楽しめました。
 ある星が地球へ激突するかもしれないといったパニック状態がベースにあるのですが、意外にパニック感は少ない。作者はむしろこのシチュエーションをベースとしての話をしたたかに作り上げています。
 素晴らしい才能の持ち主なのでしょう。同業者としてこんなことを言うのは何ですが、できれば我々ミステリーファンのために作家の方へ重点を置いてほしいものです。
 私は新本格の作家たちと年代が重なるので、多くの新本格作品をリアルタイムで読んできました。次の作品が出るのを心待ちに待ち続け、発表されると同時に本屋さんへ出向いたものです。
 現在私にとって知念氏は新作が出るのが最も心待ちになる作家さんです。
 次作も期待していますよ。

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