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ミステリの祭典

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リトル・ドラマー・ガール

作家 ジョン・ル・カレ
出版日1983年11月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点
(2024/05/25 23:45登録)
ル・カレがスマイリー3部作の後、1983年に発表した本作で扱われているのは、最近も問題になっている、中東、イスラエル-パレスチナの紛争です。タイトルが、主役の女優チャーリイ(本名チャーミアン)のことであるのはわかりますが、Little Drummer が何を意味しているのかは、ちょっと調べてみた限りでは不明です。
文庫本で800ページもある本作、ドイツでのユダヤ人を狙った爆弾テロ事件から始まり、チャーリイが登場するのは80ページぐらいしてからです。その後、イスラエルの情報機関により、彼女はアラブのテロリストをおびきだす囮のスパイとしての架空の人格を付与されていくことになりますが、これがやたら緻密にじっくり描かれていきます。やっとチャーリイにアラブのテロリストたちが接触してくるのは、全体の6割を超えてからで、後はスリリングな展開。重厚長大エスピオナージュの傑作です。

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