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ミステリの祭典

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死のバースデイ
タック警部補シリーズ

作家 ラング・ルイス
出版日2006年03月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 6点 nukkam
(2014/08/29 16:29登録)
(ネタバレなしです) 1945年発表のタック警部補シリーズ第4作の本格派推理小説です。miniさんの講評通りで、舞台がハリウッド、登場人物に脚本家、映画プロデューサー、女優などを揃えていれば大仰な表現や派手なやり取りがありそうなものですが、それほど派手さはありません。しかし静かな会話中心の展開ながらドラマチックな要素をたっぷり含んでいて全く退屈させず、謎解きのサスペンスもちゃんと維持しています。人物の性格描写に優れており、タック警部補の推理も心理分析に重きを置いたものです。論創社版の翻訳に誤字が散見されたのが残念(「夫人」を「婦人」、「余談」を「予断」と記述しています)。

No.2 6点 kanamori
(2010/08/29 16:39登録)
女性脚本家の自宅で映画プロデューサーの夫が毒死した事件を描いたミステリで、多重解決風のプロットがなかなか面白かった。
小説場面はほぼ主人公である女性脚本家の自宅のみ、登場人物も数人に限られる。入れ替り立ち替わり登場する人物が実に活き活きと描かれていて、まるで舞台劇をみるようだ。
小品ながら良質の、まさに”推理小説”という逸品。

No.1 8点 mini
(2008/11/03 11:19登録)
今では数も増えた論創社ミステリーの中で、論創限定でベスト10を選ぶとしたら、絶対入れたい一冊がある
それがラング・ルイスの「死のバースデイ」で、まさに華やかな雰囲気に満ちた小粋な正統派本格なのだ
誤解されないように言うと、”派手”なのではなくて”カラフルで華やか”なのである
展開は地味だが人物描写の冴えが見事で、これほど色彩感に溢れたミステリーはそうはない
こんなのが読みたかったんだよなあ、と思わせるミステリーなのだ

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