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ミステリの祭典

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薫香のカナピウム

作家 上田早夕里
出版日2015年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 糸色女少
(2018/05/18 20:13登録)
熱帯雨林の豊かな生態系を背景に、樹上で生活する<巡りの者>や<カイの一族>、さらには高度な文明を持つ<巨人>が登場するこの作品は、一見するとファンタジーのように思える。
しかし熱帯の人々や生態系は<巨人>の文明と関りがあるらしい。森に危機が迫る中、次第に世界の構造が明らかにされるが・・・。
成長期の少女の目を通して、人類を含む生物の人為的改変や生態系再生、社会の再建実験といった「大きな物語」と、ひとりの人間にとって幸福とは何かという「深い物語」が交錯する。本書は出色の生態系SFにして堂々なる社会派SF。

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