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ミステリの祭典

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マッターホルンの殺人
アマチュア登山家アバーグロンビー・リューカー

作家 グリン・カー
出版日1999年06月
平均点6.75点
書評数4人

No.4 6点 kanamori
(2013/08/06 12:01登録)
シェークスピア劇俳優でアマチュア登山家アバーグロンビー・リューカー・シリーズの5作目。ただし、本名のスタイルズ名義で書かれた初期3作はリューカーが諜報部員を務めるスパイ冒険スリラーらしいので、探偵役としては2作目の登場になる。

本書も、先日読んだ6作目の「黒い壁の秘密」同様に、グリン・カー作品の魅力である登山・山岳描写を背景に、山の麓のホテルに滞在する旅行客内で発生した殺人を描くオーソドックスな本格ミステリになっていて、伯爵夫妻や好奇心旺盛な中年女性など登場人物はまさにクリスティ風で読み心地がいいです。
正直すぎる伏線の張り方で真相が分かりやすいのが残念ですが、雄大な作品舞台に相応した豪快なアリバイトリックが印象的です。

No.3 7点 nukkam
(2009/01/21 15:31登録)
(ネタバレなしです) 北極探検やヒマラヤ遠征にも参加した英国の冒険家のショーウェル・スタイルズ(1908-2005)はスタイルズ名義で冒険小説や歴史小説を書いていますが、グリン・カー名義でミステリーも書いています。初期の作品ではスパイ・スリラーの主人公だったアバークロンビー・リューカーシリーズの第5作(1951年発表)である本書は本格派推理小説で、タイトル通りマッターホルンを舞台にした山岳ミステリーでもあります。自然描写はそれほど派手でもありませんが、十分に山の雰囲気は出ています。謎解きも粗い面はありますが雄大な舞台にマッチしたトリックもあって楽しめました。それにしてもマイペースな名探偵が多い中、本書のリューカーの控えめすぎるぐらいの態度はある意味新鮮でした。

No.2 5点 mini
(2008/10/29 10:28登録)
新樹社から単発的に出た幻の本格派作家
ディクスン以外のカーと言うと短編の名手A・H・Z・カーやハードボイルド作家フィリップ・カーがいるが、もう一人山岳ミステリーのグリン・カーがいる
グリン・カー自身も登山家だが、探偵役リューカーは作者の分身に違いない
山岳ものらしいスケールの大きな豪快なトリックが使われているが、大味なトリック過ぎて小学生でも分かるレベルだろう
その代わり小学生ではまだ早い大人な雰囲気があり、リゾート・ホテルの魅力や人物描写は素晴らしいもので、こうした面は小学生には分からんだろうな

No.1 9点 イッシー
(2008/02/14 16:12登録)
マッターホルンの景色がよく書かれいていた。
事件のトリックも良かった。
山岳ミステリの傑作。

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