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ミステリの祭典

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モナ・リザ・ウイルス

作家 ティボール・ローデ
出版日2018年01月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 4点 小原庄助
(2018/05/20 10:25登録)
世界規模の壮大な陰謀に立ち向かう物語は、荒唐無稽なこともあるけれど、そのスケールの広がりこそが大きな魅力だ。この作品もそんな小説である。
米国のボストンに住むヘレンは、奇妙な電話に導かれ、娘の失踪の手掛かりを求めてポーランドのワルシャワへと向かう。一方、メキシコではミス・アメリカ候補の女性たち全員が誘拐され、FBI捜査官のミルナーが捜査に向かう。彼は一方で、原因不明のミツバチ大量死の謎も追う。さらに、写真や動画の醜くゆがめるコンピューターウイルスが猛威を振るい、世界中に被害をもたらす・・・。
ヘレンの物語とミルナーの物語を軸に、いくつもの事件が絡み合う。大風呂敷を広げながら、物語は陰謀黒幕との対決へと突き進む。
キーワードは「美」。美しさという概念そのものをテーマに謀略ものを描いた着想が面白い。ユニークで読ませる小説であるが、要素を詰め込みすぎたため、細部に粗さが目立つ。

No.1 5点 蟷螂の斧
(2018/04/19 12:01登録)
メキシコでビューティークイーンが誘拐された。世界各地でミツバチの大量死が発生。ミラノでは「最後の晩餐」が破壊された。すべての画像を歪めてしまうコンピュータウイルスが拡散した。これらの事件の共通点は「黄金比」であった。そして犯人は神経美学者ヘレンの娘を誘拐し、悪夢のような要求を突き付けたのであった・・・。
ドイツ発のエンターテイメント系ミステリーです。カットバック方式で「ダビンチ・コード」を踏襲、展開も似ています。気になる点は、ご都合主義が散見というより、もっと多いか?(苦笑)。ルーブルのモナ・リザとプラドのモナ・リザ(模写)は、素人でも違いがわかる?。

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