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ミステリの祭典

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閻魔堂沙羅の推理奇譚
閻魔堂沙羅

作家 木元哉多
出版日2018年03月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 4点 たかだい
(2025/03/27 21:58登録)
ラノベチックな変則的ミステリーで、何らかの事情で死亡した人間(被害者)がその死亡理由(犯人など)を推理するという変わり種
死後の世界で閻魔大王の娘を名乗る少女との生き返りを賭けた推理ゲームという設定は中々面白く、短編形式な点も読み易い
しかしながら、いささかワンパターンが過ぎるのも実情で、あの世で閻魔大王の娘・沙羅と邂逅、様々な事情から「死者復活・謎解き推理ゲーム」に挑む、制限時間内に概ね正解の推理を披露、細かな部分は沙羅が補足説明、無事に生き返る事が出来て未来が変わる、収録されている4話全てがこの流れを踏襲しており、良く言えば予定調和で安心感だけは保証出来る
とは言え、はっきり言えばそれ故に平坦で面白みや盛り上がりに欠ける作品と言わざるを得ない
ゲーム失敗のバッドエンドを見たいわけではないけど、せめて1話くらいゲーム失敗…と思わせてからのどんでん返しくらいの仕掛けがあっても良いだろう、と思わずに言われません
シリーズ化している作品ですが、2冊目以降を読もうとは(少なくとも今の時点では)思えません。1冊(4話)でお腹一杯です

No.1 5点 メルカトル
(2018/04/19 22:35登録)
確かにメフィスト賞受賞作にしては大人し過ぎる感じがします。ありきたりというか、意表を突いたところがどこにもなくて、正直新味という点においてもそれ程とは思えません。死亡した人間自身が己を死に追いやった犯人を推理するという趣向に新たなパターンを盛り込んだに過ぎず、特に沙羅が出てくるまでがかなり退屈な感は否めません。肝心の推理もまあごく普通の人間がおこなうわけであって、それほど複雑なトリックなども存在しません。しかし、10分で謎を解かなければならないという縛りの割には、スムースに解決してしまうのは、やや不自然というか無理があるようにも思います。

BLOWさんのご書評通り、完璧なるワンパターンで、しかも完全な予定調和でもあります。その為安心して読めるのは良いですが、意外性は全くありません。そこが残念ですね。ただ沙羅のキャラはなかなか魅力的だとは思います。シリーズ化されるのも分からないではないですが、安易に過ぎるのではないかという気もします。はっきり言って、本格ミステリをこよなく愛する読者にはかなり物足りないのではないかと思います。

第二弾に期待したいところですが、次はもう少し捻りを加えた本格的な謎解き、それもシリアスなのを一つくらい加えていただけると良いのではないでしょうか。例えば刑事や探偵が死者となって推理するとか。でないと、すぐに飽きられますよ。そして『奇譚』の名が泣きます。

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